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2024/04/11 17:00


エンジンからの排気ガスの力で駆動し、エンジンの出力を上げる手助けをする " ターボチャージャー "(以下ターボ)。
搭載することによって、エンジンが排気量以上のパワーを発揮することを可能にする、極めて優れた部品です。

ターボが破損などによって正常に駆動しないと、
パワーダウンしたり、マフラーから白煙が出るといった症状が起こります。
しかしながら、ターボが破損してしまうのは、ターボ自体が原因ではないことがほとんどなのです。

今回は、ターボが破損してしまう原因や注意点などをご紹介していきます!


◆主なターボの破損原因


ターボは基本的に、内部部品同士は直接接触しない構造になっており、
長く使い続けたからといって劣化や摩耗が発生する部品ではありません。

主な破損原因は3つです。
すなわち、ターボが破損したからといって、ターボを交換するだけではなく、破損した原因を発見して解消しなければなりません。

破損したターボを交換するだけでは、再び同じ原因によってターボが破損してしまう可能性があります。
返却される多くのターボは、オイルの管理不良により軸受け部分が破損しています。



オイル管理の悪かったエンジンの場合、内部のスラッジを取り除くことは非常に困難です。
オイルの供給量が不足した場合には、ベアリングの破損につながってしまいます。


再発予防を怠ってしまうと、ターボ交換後のオイル管理をしっかり行ったとしても高い確率でトラブルが再発してしまいます。
ストレーナーの目詰まりや、オイルポンプの作動不良がないかを点検していただくことも大切です。
また、オイル交換の必要性をしっかりと把握していただくことも重要となります。

異物を吸い込んで羽が破損しているものもあります。

原因となった異物を取り除かないと、交換しても同じように破損してしまいます。
インペラを止めているナットが外れている場合は、エアクリーナーや
吸気パイプ内に残っていることが多いので、必ずナットを探し出してください。
作業時にウエスやナットなどを落としてしまわないように注意してください。

排気温度の異常上昇によって、ハウジングが破損しているものや、
排気漏れなどによってターボに負担がかかりすぎて破損しているものもあります。

排気側のハウジングが赤く焼けているものや、クラックの入っているもの、排気側の羽が白くなっているものは要注意です。

近年増加傾向にあるトラブルとして、オイル内への異物混入があります。

エンジン側で発生した細かい鉄粉がオイルに混ざり、ターボの軸を磨耗させてガタが発生しているものです。
リビルトエンジンに載せ替えられている場合でも、多く発生しているトラブルです。

以上のような例から、ターボ自体には問題が無いのに、オイル漏れや白煙が出てしまう可能性が高いのです。

つまり、ターボ自体に問題が無い場合は、ターボを交換する前に、元々の原因を究明して解消しなければなりません。


◆考えられる原因と改善箇所



上記は一例ですが、エンジン自体の異常であることがほとんどです。


◆交換作業時の注意点

最後に、ターボ交換作業時の注意点をご紹介いたします。


・フラッシング(エンジン内部のオイルの通り道を洗浄すること)を行う時は古いターボをつけた状態でやって下さい。
※ターボ交換後に行うと、汚れたオイルがターボに回ってしまいターボが破損する原因となってしまいます。

・リビルトエンジンを使用する際は、古いターボをつけた状態でオイルを循環させてから一度オイルを抜いて下さい。

・何度か繰り返してからオイルエレメントを交換して新しいターボを取り付けて下さい。

・取り外されたターボをしっかりと見て破損の原因を把握して下さい。


~ Check Point ~

1. パイピングやマニホールドに亀裂などはないか
2. 内部にガスケットの破片やナットなどの異物は残っていないか
3. ホース類にひび割れや破れはないか
4. PCVバルブやソレノイドバルブの機能は正常か
5. ヘッドカバー側の取り付け穴がスラッジなどによって詰まっていないか




※羽を指で回転させながら行い、オイルが行き渡るようにして下さい。









◆まとめ

「ターボが破損したから交換する」ではなく、再発防止のためにも破損した原因を把握しなければなりません。
万が一症状が発生した場合は、本記事でご紹介した内容を参考にしていただけますと幸いです。
また、ターボは精密機械です。そのため、交換作業は必ず精通した整備修理工場にご依頼いただくようお願い致します。
さらに、近頃は模倣品なども増えておりますが、万が一粗悪な品物と交換してしまった場合、
大きなエンジントラブルにつながる恐れもあります。
そんなトラブルを避けるためにも、高品質なリビルト品をお選びいただくことをおすすめいたします。


最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
皆様のご利用を心よりお待ち致しております。

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資料提供/株式会社 光洋気化器